ラスト ディール

久しぶりに心に沁みる映画を観ました。

主人公は老美術商のオラヴィ。
ハイテクな機器などとは無縁の昔ながらの商売をする彼が、ある日
オークションで見つけた作品。
その絵に作者のサインがない為、埋もれてしまった名作です。

主人公と疎遠になっていた娘、その息子(彼にとっては孫)との家族の
絆が丁寧に静かに描かれているのが印象に残りました。
家族との和解は出来るのか?
その絵に作者はなぜサインをしなかったのか?
様々な疑問を包括して物語は進んで行きます。

いつの間にか、それぞれの登場人物に感情移入しながらも、絵の作者が
サインしなかった理由が明かされた時、目頭が熱くなりました。
いえ、本当はそんな言葉では言い表せないもっと深いところから
湧き上がってくる感情、とでも言いましょうか。
それは私も絵を描く人間だからでしょうか?
それとも人として誰もが感じることなのでしょうか?

舞台はフィンランドのヘルシンキ。
街並みも綺麗だし、何より空気感が良かった。
カメラワークも素晴らしかったです。
モニターに映るギャラリーの様子やバスの窓ガラスに映った街並みが
中の主人公と重なって、とても凝った撮り方だと思いました。

Amazonプライム 「ラスト ディール」美術商と名前を失くした肖像
2018年 フィンランド作品、監督:クラウス ハロ

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プロフィール

朋百香(tomoko)

Author:朋百香(tomoko)
1955年埼玉県生まれ東京育ち。
幼少時から学生時代は、水彩、
油絵を学び、結婚後は子育てを
経てのち植物画に魅了され、
個展やグループ展にて発表。
イギリスのフィンドホーンへ
の旅をきっかけに自己の内的
プロセスを描写する、様々な
素材を用いた独自のミクスト
メディア作品制作に入る。
現在は和紙に墨、アクリルで
墨アートを表現している。
神奈川県在住。

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