2018/11/11
「Double Vision」
フィリップさんの個展に行ってまいりました。フィリップさんは「タロー・デ・パリ」の作者です。
タロー・デ・パリというのは、パリの街の彫刻などをデジタルで美しく
アート作品にしたタロットカードで岩倉ミケさんが、このカードを見て
「京都を舞台としたタロットカードを作ろう!」と思ったきっかけに
なったものです。
当時はタロットカードが何たるかも、あまりよく分かってなかった私ですが
「タロー・デ・パリ」をさっそく購入しました。
その独創性、神秘性にとても惹かれました。
確かどこかに10年余りの歳月をかけ・・・という文言を見て
「えー、そんなにかかったんだぁ〜」と驚いたのを覚えています。
まさか自分も同じ険しい坂道を登るとは、思いもしませんでしたが・・・。

「Double Vision」 DM
私が「京都タロット」の原画展をした時、フィリップ夫妻(奥様は日本の方)が
来てくださった時には本当に感激しました。

会場風景
今回、彼の個展に伺ってタロー・デ・パリとはまた違った作品たちを見られたことは
私にとって大きな励みになりました。

78枚のタロットカードを作製することは「大変でした」という一言では言い表せないものが
あります。でもフィリップさんと目を合わせると同じ生みの苦しみを味わった者同士、
言葉のいらない共感が生まれて、ああ この人は分かっているんだなぁ・・・という
静かな安堵に包まれます。

フィリップさんと墨作品の前にて
フィリップさんのことは何も知らないし、こうしてたまにお互いの個展でお目にかかる
くらいなのに、会うと何か繋がりを感じる・・・

彼の作品の中に自分と同じもの、言葉で表せば「質」というのでしょうか
そんなものを感じることがあります。
国籍も性別も育った環境も全く違うのに、不思議ですね。

今回もたくさんエネルギーとインスピレーションをいただきました。
アーティスト仲間といったら、フィリップさんに失礼なのかしら?
でも、こういう仲間の存在は本当に大きな力になるのです。
今回の「Double Vision」という個展名は彼がインドで授かったハカマという
名での作品、フィリップ・トーマスとしての作品、それぞれ全く違った多岐に及ぶ
スタイルを表すものです。
個展はすでに終了しています。
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