2015/11/29
ニキ・ド・サンファル展
友人に「とても良かった」と教えられて行ってきたのはこちら
ニキ・ド・サンファル大回顧展
彼女の作品は雑誌などで見たことはありますが、実物を観るのは
初めて。
そのカラフルな作品から「楽しいだけ」かと思っていたら、テーマは
なかなか重かったのです。
彼女はアートを通して戦争や人種差別、さらに社会における女性の
あり方を主題とした数多くの作品を残しました。
その作風は斬新で枠に囚われず、女性の自由と力を体現しています。
彼女が生きた当時はまだまだ女性が今ほど自由に発言出来なかった
時代ですから、その勇気と行動力は素晴らしい! それが、作品に
現れて人々に感動や勇気を与えるのでしょうね。

生身の「女」というものを客観的に見る視線には、ユーモアと優しさ、時には
厳しさも感じられて同性として共感を覚えるところです。
「いいところも悪いところも、すべてひっくるめて私を愛して!」という
いかにもフランス女性らしいエスプリが作品の根底にあるように
感じられました。
ニキ・ド・サンファル展
2015年9月18日〜12月14日まで 六本木、国立新美術館 毎週火曜休館
午前10時〜午後6時まで
ところで、彼女がもし今生きていて、先日のパリのテロを見たら
どうしたでしょう?
彼女はきっと「復讐するのは、やめよう」と訴えた筈です。
余談になりますが、あのテロで妻を亡くした男性がISに手紙を書いたそう
です。人から聞いた話なので正確な文章は分かりませんが、
「僕は君らを恨まないよ、僕が君らを恨んで復讐したら、君らと同じ
『無知』に陥ってしまうから」といったような内容だったと思います。
何と崇高な魂の持ち主でしょう。
私がもし、家族をテロで失ったら、そんなことが言えるかしら?と
考えてみました。
やはり、そう言えるまでには、かなりの時間がかかるだろうと思います。
でも、少なくとも復讐しよう、とは言いません。だって彼らにも妻や子が
いるかもしれない。両親や祖父母も・・・。憎しみはなんの解決にも
ならないということに早く気付いてくれたら・・・と思います。
皆んな大切な家族がいる、子供には未来がある。
私達はみんな地球の子だということを思い出してほしい。
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