壮絶

時々、乃木坂のとある事務所で打ち合わせがあるのだが、この日
早くに仕事が終わったので、前々から気になっていた場所に足を
むけた。

それは「乃木邸」
乃木大将の家が当時のままに残されている。
その家は屋敷というには、あまりにも簡素で質素。
いかにも軍人の家という感じがする。

六本木と青山を結ぶ大通りから一歩はいると、そこは異空間だった。
まるで当時にタイムスリップした様な雰囲気。

        乃木邸4、玄関
        乃木邸の玄関

よほど馬を大切にしていたのだろう。
木造の家よりも、レンガ造りの馬舎の方が立派。

        馬舎2
        馬舎

乃木将軍のことは、明治時代を生きた軍人であったというくらいしか
知らなかった。

弱虫と言われた子供時代、不慮の事故で片目を失明したこと、
両親に厳しく育てられたこと、家出して長州藩士から明治国家の軍人
として明治維新、西南戦争、日新日露戦争(この時2人の息子を戦死
させている)と、激動の時代を生きぬいたこと、数々の挫折を繰り返し
最後は明治天皇崩御の後、静子夫人と殉死を遂げた、その壮絶な
人生を今回、初めて知ることとなった。

        乃木将軍、肖像画
        乃木大将肖像画

乃木邸の横には乃木神社がある。
そこの宝物殿には乃木大将の数々の遺品が陳列されている。
殉死当日の朝撮ったという写真も飾られていたが、そのお顔の何と
穏やかなこと。

生死の狭間を何度も体験してきたからこそ最後の「死」を選んだ人の
行き着いた「穏」であったのだろうか・・・?



       乃木邸3





この日のきものは
格子の八草紬
今秋初めての袷、ベージュ格子柄の八草紬。
帯揚げは黄色、帯締めは濃い臙脂で、紅葉を意識してみました。


冨田潤氏帯
帯は冨田潤氏の八寸。


この日、行きと帰りの電車の中で6人も着物姿の女性を見ました。
いよいよ着物を着てお出掛けするにはちょうど良い季節になったのですねぇ。












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プロフィール

朋百香(tomoko)

Author:朋百香(tomoko)
1955年埼玉県生まれ東京育ち。
幼少時から学生時代は、水彩、
油絵を学び、結婚後は子育てを
経てのち植物画に魅了され、
個展やグループ展にて発表。
イギリスのフィンドホーンへ
の旅をきっかけに自己の内的
プロセスを描写する、様々な
素材を用いた独自のミクスト
メディア作品制作に入る。
現在は和紙に墨、アクリルで
墨アートを表現している。
神奈川県在住。

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