2011/04/30
哀愁のカラムシ
昨年9月に一目ぼれして、山本きもの工房さんにお仕立てをお願いしていた宮古上布が仕上がってきた。
そう、あれから8カ月。
「上布積立」を始めて、コツコツ、コツコツ。
時には挫折しそうになりながらも、元来の生真面目が
幸いして(?) めでたく宮古ちゃんをお迎えに。
深~い藍の地に並ぶ絣柄は、決して華美ではないが、
人の手作業の美しさに感嘆するばかり。
宮古上布の原料となる苧麻(ちょま)は、イラクサ科の
多年生の低木で別名を「カラムシ」という。
カラムシ・・・何とも魅力的な響き。
琉球藍は本土の蓼藍とはまた違った、独特な黒味を帯びた青。
藍作りは、かなり重労働で、今では生産者も減ってきたそうな。
そのうち、いなくなってしまうのかもしれない。
染色だけではない。
糸を績み、織るという高い精度を要求される気の遠くなる作業は
かって人頭税と呼ばれる、過酷な沖縄の歴史をも包括して
その美しさは憂いを帯びている。
「蝉の羽根」と称される宮古上布の信じられない薄さ、軽さは
そのまま その儚さと繋がって「滅びの美学」を奏でているようで
手を通す前から、愛おしさを覚える。
さて相変わらずの山本さんのきめ細やかなお仕立て。
これもまた、布を愛してやまない彼のこだわりが、随所に
散りばめられていて、私の宮古ちゃんはまさに芸術品となって再誕生した。
![110430_132310[1]](https://blog-imgs-43.fc2.com/t/o/m/tomoko358/2011043020445162e.jpg)
このきもの、僅か
320gしか
ないのです!
![110429_151914[1]](https://blog-imgs-43.fc2.com/t/o/m/tomoko358/2011043020455869b.jpg)
この日のきものは、
久米島紬と
島仲由美子さんの
グンボウの帯。
南の島の最強デュエット
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