「藍色」と「桜鼠」

赤坂での打合せの帰りに、久しぶりに「青山 八木」に寄った。
目的は道明の帯締め。
母の代から、帯締めは「道明」だった。
姉は上野まで買いに行っていたが、八木さんには私好みの
渋めの色がそろっているので、わざわざ上野まで行く事もない、と。

不思議なもので季節が変わると色も変わる。
たとえば同じ青系でも、暑い時は薄い青が爽やかだが、涼しくなると
濃い深みのある青が 良く似合う。
季節の「色」を着るのも、きものの醍醐味。
自然の草木から染めた絹は とても美しい。
それは「自然を写し取って着る」ということに違いない。
昔から日本人は春には花の色、秋には色付く葉を衣裳に写して季節を
楽しんできた。

きものや帯には目もくれず(笑)、店主に青系と茶系の帯締めと帯揚げを
見せてもらう。
だいたい直観で選ぶので、決まるのは早い。
帯締めは「藍色」と「桜鼠」の冠組(ゆるぎ)。
帯揚げは甘い栗色とグレイッシュなブルー。
どれも一目で気に入ってしまった。

道明の帯締めには、1本1本に名前がついている。
その名が また素敵。
帯締めに付いてくる和紙に書かれた名札を、捨てるのがもったいなくて
やはり和紙で出来た蛇腹の名札帳を、作ってしまった。
それに、1枚1枚 名札を貼ってゆくのが、秘かな楽しみ。


「有職組紐 道明」
創業は江戸中期。当初は武家の鎧ひもを主に作っていたという、
帯締めの老舗。

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上の帯締めが桜鼠、
下が藍色。


101030_160243[1]

帯締めの名札帳。


101029_164421[1]

きものはいつもの焦げ茶の
紬。帯締めの水色が、
ちょっと今の季節には
軽いのかな?


101029_164237[1]

帯は大月俊幸氏の
綾織名古屋帯。


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プロフィール

朋百香(tomoko)

Author:朋百香(tomoko)
1955年埼玉県生まれ東京育ち。
幼少時から学生時代は、水彩、
油絵を学び、結婚後は子育てを
経てのち植物画に魅了され、
個展やグループ展にて発表。
イギリスのフィンドホーンへ
の旅をきっかけに自己の内的
プロセスを描写する、様々な
素材を用いた独自のミクスト
メディア作品制作に入る。
現在は和紙に墨、アクリルで
墨アートを表現している。
神奈川県在住。

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