「愛加那」


版画工房アーティーの社長が「田中一村」展の件で奄美大島に渡った時
のこと。一村の家の前で一人の女性と会った。
彼女は自分のルーツを訪ねてここへ来た、と話したそうだ。
彼女の名は萩原かおり、歌手である。

1859年、西郷隆盛が奄美に潜居した折に島の女性、愛加那と出会い
恋に落ちる。来島当初は流人として扱われ孤独だった西郷にとって
美しい愛加那さんは、心の支えだったに違いない。
一男一女を儲けるが1862年、西郷さんは再び歴史の表舞台へと戻される。
しかし、島の掟で愛加那さんは島を出ることを許されなかった。
彼女はどんな気持ちで夫と子供達を見送ったのだろう・・・。

冒頭に戻るが、萩原かおりさんは愛加那さんの遠縁にあたる女性。
奄美での自分のルーツを訪ねて、何か感じるものはあったのだろうか。
その後、愛加那さんの生涯を綴った楽曲「歌物語、愛加那」を
制作している。

毎週日曜日には「竜馬伝」を楽しみに見ている私だが、これから
その西郷さんも登場してくる。
竜馬にしても西郷隆盛にしても陰には必ず、彼らを支えた女達のドラマ
がある。誰が良いとか悪いという話ではない。
男は男の生きる道があり、女もまた愛した男に生涯を捧げる生き方が
ある。皆、自分の信じる道を懸命に生きてきたのだと思う。
人ってそういう風にしか生きられない。
哀しいな・・・でも、美しい。

それにしても縁の不思議を感じずにはいられない。
ワカさんが大島紬の会を長平庵に決めたのは薩摩藩の紋が入った飾り棚
を見た時だそう。そこから、いろいろ繋がってこの1,2カ月で
知らなかった奄美大島の歴史や画家、一村の人生、そして愛加那さんまで
たどり着いた訳だが、さて当日もどのようなご縁を頂けるのか楽しみだ。

http://umu-waka.jugem.jp
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プロフィール

朋百香(tomoko)

Author:朋百香(tomoko)
1955年埼玉県生まれ東京育ち。
幼少時から学生時代は、水彩、
油絵を学び、結婚後は子育てを
経てのち植物画に魅了され、
個展やグループ展にて発表。
イギリスのフィンドホーンへ
の旅をきっかけに自己の内的
プロセスを描写する、様々な
素材を用いた独自のミクスト
メディア作品制作に入る。
現在は和紙に墨、アクリルで
墨アートを表現している。
神奈川県在住。

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