2022/05/18
「サラバ!上、下巻」読了
どうしてこの本を読もうかと思ったかというとラジオの対談で阿川佐和子さんと西加奈子さん(作者)の
やりとりが面白かったのと「僕はこの世界に、左足から登場した」
と言う最初の一文にやられてしまったからです。
それだけで、この一冊300ページ以上の大作(それも上下巻)を
買ってしまいました。
私の読書時間はナイトキャップがわりの眠る前の30〜40分
(時には1時間くらい)なので、読み終わるまでに時間がかかって
しまいました。
それでも内容の面白さと、家族というテーマがどうしても
読まずにはいられなかった。
誰でも「家族」という問題は多かれ少なかれ抱えていますよね。
私は生まれ育った環境が複雑だった(両親がそれぞれに連子をしての
再婚)ので、子供の頃はこの本の主人公のように大人の顔色を
伺う子でした。
だから彼(主人公)に容易く感情移入できたのかもしれません。
主人公が生まれたイラン・テヘランや育った大阪、エジプトの
描写が素晴らしくて(特にナイル川の)凄いなぁと思ったら
作者自身がそうだったのですね。
ここはかなり、ご自分の経験が生かされているのだろうと思いました。
本を読んで泣いたのは何年(いや、何十年?)ぶりでしょう?
そうなんです、後半は泣けました。
感動の涙だったのか・・・自分の家族とオーバーラップしたのか?
おそらく、そのどちらもなんでしょうねぇ。
もう私の両親はいませんが、彼らは彼らの人生を懸命に生き抜いたの
だなぁと(あれだけ確執があった父なのに)なんだか少し
愛おしさも混ざった気持ちで思い出していました。
時間というのは不思議なもので、若い頃はあれだけ反発したのに
今は自分が歳をとったせいなのか、あの時の親の気持ちというものを
少しは理解出来たように思います。
そんな気持ちにさせてくれた本でした。
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