ぎゃーーーーーーー!となった話

今年は特に寒いせいでしょうか、大変な事件が起こりました!
なんと長平庵にネズミが入り込んで、巣を作ろうとして
いたのです。
ご存知ない方のために簡単に説明しますと、長平庵と言うのは
築100年以上の古民家で夫の両親の住まいでしたが、彼らが亡くなって
からは、イベントに貸し出したり、個展をしたりヨガ教室をしていました。
3年前からはコロナのせいもあり、人のお集まりはなくなり、今は
会社の事務所として一部屋を使っているだけで、つまり人の出入りが
少なくなってネズミさんとしては最高の環境になったわけです。

そして起こるべくして起こった今回の事件。
そーです、私にとっては事件です!

六畳の和室に紺色の毛氈が畳んで置いてあったのですが、ある日
ふと気づくとその毛氈が丸まっているではありませんか。
あれ?誰がこんな事したのかしら?って、ここに入れるのは
事務の人と時々来る掃除のおばさんくらいです。
聞いてみると2人とも知らない、と。

で、そーっと毛氈を途中まで開いてみると・・・
IMG_0086.jpg

なんと中はこんなことに。

横に置いてあったティッシュペーパーを細かくちぎって
ふわふわにしたものを詰め込んでいるのです。
「え?!」何これ。

私が推測するに、ネズミはここを巣にしようとしていたのでは?
あるいは、ここで出産しようとしていたのでは?
頭の中でここからうじゃうじゃ出てくる小鼠の姿が浮かんで
ぎゃ〜、となりました。

ともかくすぐ撤去しなくては・・・
まず手袋をして、ホウキとゴミ袋大を持って、そして万が一
中にいると嫌なので、ホウキでツンツンしたところ・・・
チュー、と鳴き声がしたかと思ったら中からちょろちょろと
1匹が出てきて・・・
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
悲鳴をあげる私を尻目に逃げてゆきました。

しばしその場に固まりましたが、エイ!と気合を入れて
毛氈ごとゴミ袋へ。(毛氈を広げる勇気などありません)
ぎゅっと口を縛って、表の大きなゴミ箱に直行です。

その後、ネズミ駆除業者を呼びました。
明日から駆除作業に入ります。
いろいろ工程があって、終了までに約一ヶ月くらいかかります。
毒餌を食べたネズミの死骸と遭遇するかもしれませんが、
その恐怖よりも家の中に巣がある!という恐怖の方が勝りました。
大々的にネズミ駆除をするのは初めてですが(もしかすると父母の
代にはやっていたのかもしれません)古い家なので、家中の穴を
全部塞ぐのは無理かもしれませんが、それでもやらずにはいられません。

それにしても、マンガで見るネズミは可愛いのに、実物を見ると
ぎゃーーーー!となるのはなぜでしょう?


(ネズミさんへ
 あなた方も生きているのに、人間の勝手で駆除するのは誠に
 申し訳ないが、家の中での共存は無理です。出来れば屋根裏から
 下に降りるのはやめてください。と言っても無理だと思うので
 明日、駆除作業に入ります。お知らせまで)





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サロン・コンサート

我がブログで何度も登場しているフランスのパル・ミュゼットを
演奏するモンジューのサロン・コンサートを長平庵で開催した。
一足早く、春爛漫のきもの女子会である。


モンジュ―コンサート2


桜の花や春の草花達がきものや帯、半衿や小物などそこここに。
春色のきもの女子が20名も集まると壮観。
やっぱり日本の女性には「きもの」だな〜とうっとり拝見。

モンジューのアコースティックな音が風にのり、ヨーロピアンな
エスプリを漂わせてきもの女子の心をくすぐった幸せな午後の一時。

年齢や職種が多岐にわたっていても「きもの」というキーワードで
繋がった皆様。
さらに和が広がってもっともっと「きもの女子」を広めたい・・・
密かな願いがほんのちょっぴり叶った日でありました。

お集りくださいました皆様にお礼申し上げます。
皆様とモンジューの演奏を楽しめて幸せな一日でした。

(お手伝いくださった皆様、ありがとうございました)



会場風景
演奏終了後のティータイム


佐藤先生
染織家、佐藤節子先生もおいでくださいました。


モンジューと
モンジューの3人と絵美さんと
彼らも「こんなにたくさんのきもの美女の前で
演奏したのは初めて」と、ちょっとテレ気味。



絵美さんのブログ

Monjeuのサイト


感謝

あっという間の5日間だったが、たくさんの出会いが
あった。
きものが好きだから、久米島にご縁があるから・・・と
人それぞれ理由は違っても、ここに来て紬や帯に触れた
方達は来た時とは違う顔になって笑顔で帰られた。

山本さんの点てたお抹茶の香りの良いこと、お国なまりが
おおらかでほっこりした久米島の織り手さん達、彼女達が
日だまりの縁側で紡ぐ糸、、それぞれに素敵におきものを
お召しになって目の保養をさせて頂いたお客様達・・・。
思い出をたくさん残して会は終了し、長平庵にまた静寂が
戻った。


会場風景より
yukikoさん
外がもう黄昏れてますねぇ。
Yさん、Sさんと。

sachikoさん
グレーとピンクの鱗模様の襦袢がお洒落。


sachikoさん2
久米島紬には珍しい藍の際立つ反物の前で
Sさんと。


香子さん1
総絞りの羽織にワンポイントの背守り


香子さん2
大胆なカトレアと美しい緑が印象的な帯


櫻子さん1
熱心に山本さんの説明を聞くお二人


絵美さん1
山本さんを紹介してくださったのは絵美さん
でした。その時はこんな日がくるとは思い
ませんでしたが・・・。
絵美さん、Kさんと。


櫻子さん2
ご自分で作られたという、帯留めと根付け
私もこういうの欲し〜い!


とうこさん
遠くからお越しくださったTさんと。



素敵なきものに囲まれた夢のような日々はもう終わり、
さあて現実に戻って、お仕事せねば・・・。

お越し下さった皆様、ありがとうございました。
山本さん、スタッフの皆さんもお疲れさまでした。







帯の進化を西陣に見る

今回、この久米島紬に山本さんがお奨めの帯は
京都西陣のもの。
昨年末のブログにも書いたが西陣というと錦とか
唐織り、を想像してしまう私は古かった。

「えーっ、これが西陣?」という斬新な帯の数々。
きもの同様、帯も進化しているのだ。


帯5
久米島紬にこんな白い帯をすると、とても
モダンな感じに。


帯1
こちらは格子の紬に色はシックだが小花が
並んだような可愛い帯。


一見、刺繍したように見えるが、もちろん西陣さんと
いえば「織り」
すべてこれ、織られているのだからビックリ。


帯2
帯7
帯4



糸のポチポチが何とも可愛いのと、その色彩感覚には
まいってしまうのだが、写真ではなかなか こういう
微妙なニュアンスカラーを写すのは難しい。

やはりこういうものは実際に手に取って、その軽さ、風合い
色彩を感じて頂かないと・・・。


帯3


この帯を織っている方は何と80代のお爺ちゃまなのだそう。
きもの友と「そのお爺ちゃまに会ってみたい!」と
盛りあがった。
このセンス、絶対若い方だと思っていたのだが・・・
「色彩感覚は若いですが、この熟練の織りは50年60年と
経験を積んだ人でないと織れないんです」と、メーカーさん。
ごもっともです。

着手のほうも昔の感覚でこれは紬用、これは訪問着用、
などという固定観念は捨て、もっと新しい帯ときものの
関係を考えていったら使える用途も広がるし、さらに
きものを着る楽しみが増えるのではないだろうか。






ゆいまーるの温もり

久米島紬の織り手というから「おばあ」がみえるのかと
思ったら、お若いお二人で驚いた。

お話会
山本さん(右)と織り手のお二人


久米島紬の染料はすべて島で育つ自生の植物。
その自然の色の美しいこと、優しいこと。


糸
テカチ(オキナワシャリンバイ)、楊梅、
ユウナ(オオハマボウ)、グールなど
それぞれ独特の色合い。


全行程が手作業で古来の技法を守っている。
染め、織りをひとりの作り手が手がけるのも
大きな特徴。

そして、久米島には「ゆいまーる」の精神がある。
これは、協力し合うという意味で自分ひとりでは手に負えない
仕事をお互い助け合っておこなうのだ。
だから布から、そんな優しい温もりが伝わってくるのだな・・・
と、納得。

植物の採取、おかいこさんの世話、糸を績む、泥染め、砧打ち
精密な織り、と何ヶ月もかかって出来た反物でも最後に
厳しい検査が待っている。
どんなに手がかかっていても、ここでのチェックを通らないと
正式な久米島紬として認定されない。

それではあまりにも作り手も反物も可哀想・・・と、山本さんが
「ちょっと いい理由あり展」と銘打ってこの展示を開催したのだ。

素人から見たら段のずれとか、織りの縞が目立つとかって全く
分からない。
数ある紬の中でも特別、検査が厳しい気がする。

きものの仕立て方でそんな所は隠せる。
ちょっと理由(わけ)あり、バンザイだ。
それで、きものとして好きな人に着てもらえたら織りても布も
喜ぶというもの。
ましてや、ちょっとお安く手に入れられる着手も嬉しい。

しかも彼は伝統の「久米島紬」を守りながらも新しい挑戦も提案して
いる。
久米島と言うと思い浮かぶのはこの感じ
くろ


しかし、こんな色や
ピンク


こんな色も
ソテツ



新しい色、新しい感覚、しかし伝統はおさえて、ますます
進化する久米島紬が楽しみだ。


糸を績むともこさん
糸を績む作業


こ〜んな道具を使うのです
糸を績む道具
なぜか、長平庵にピッタリ


おおらかな口調で説明してくださった織り手さん。
その生の声から、ゆいまーるのほっこりした暖かさが
伝わってくる。
争うことなくお互いが助け合って、今日がある久米島紬。
この紬がこれからも長く伝統文化として残ってゆく事を
祈るし、応援したいと心から思った。










プロフィール

朋百香(tomoko)

Author:朋百香(tomoko)
1955年埼玉県生まれ東京育ち。
幼少時から学生時代は、水彩、
油絵を学び、結婚後は子育てを
経てのち植物画に魅了され、
個展やグループ展にて発表。
イギリスのフィンドホーンへ
の旅をきっかけに自己の内的
プロセスを描写する、様々な
素材を用いた独自のミクスト
メディア作品制作に入る。
現在は和紙に墨、アクリルで
墨アートを表現している。
神奈川県在住。

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